「恋と愛の違いは?」
「下心と真心」
「それ以外に」
「……欲しいのか、与えたいのか、ですかね」
なら、と
夜沙子
(
やさこ
)
さんは問うた。
「欲する愛や、与える恋はないのかしらね」
「傍迷惑だと思います。前者は偽り、後者は押し売りだ。……相手が欲していないのなら、どちらも大差ないのでしょうけど」
違いない、と彼女は笑う。
入れ替わりにぼくが言う。
「第一そんなものの区別なんか、最初からついていないでしょう、そもそも」
ぼくもあなたも。
そしてそんなだからぼく達の関係は今まで続いていたのだ。
違いない、とまた彼女は笑う。
「で、あなたは欲しいの? 与えたいの?」
「──分かりません」
それで終わり。
意味のない会話の、それが終局。
意味のない関係の、それが終焉だった。
back
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送